抄録
本研究では,まず平均皮膚温が一定値となるような高・中・低湿度の高温環境において,ぬれ面積率の挙動に関する基礎的実験を行った.その結果,平均皮膚温が一定であっても,湿度によってぬれ面積率の値が大きく変化することがわかった.次に,実験から得られたぬれ面積率の特性を考慮した場合の等皮膚温線と,ぬれ面積率を一定値とした場合の等皮膚温線について比較検討を行い,実験結果を組み込んだ等皮膚温線が,湿り空気線図上で直線ではなく,曲線となることを示した.さらに,ぬれ面積率が種々のパターンで変化した場合に,等皮膚温線に与える影響を湿り空気線図の上で考察した.