抄録
着衣量が異なる場合のSET^*の温熱環境評価指標としての有効性を夏季と冬季に実施した被験者実験により検討した.活動度は椅座安静一定とし,着衣は半そでから長そで重ね着までの4段階とした(着衣総重量から算定したクロ値は0.42〜0.89clo).健康な青年男女各4名の被験者を静穏気流・相対湿度50%・等温放射の環境で,SET^*=16〜31℃の範囲の計27条件に約1時間暴露した.その結果,今回の実験条件程度であれば着衣量の異なる場合にも,重量法で算定したクロ値により着衣の相違を考慮してSET^*を求めれば,SET^*と全身温冷感の関係はほぼ等しく保たれ,SET^*により温冷感を予測できることが確認された.