空調システム全体の動特性を明らかにし,制御プロセスに関する数値シミュレーションを行うには,建物はもちろん,空調機器,制御機器を含んだ,より詳細なモデル化が必要である.本文では,空調システムを構成する各サブシステムの過渡応答の差が大きいことを考慮して,計算時間間隔を任意に設定できる逐次状態遷移法による冷却除湿コイルの計算モデルを提案した.提案した計算方法の妥当性とその精度を検証するために実験を行い,本モデルの有効性を確認した.さらに,コイルの冷却除湿能力に影響を及ぼすパラメータ感度を調べ,冷却除湿コイルの動特性について検討した.