1995 年 20 巻 58 号 p. 1-11
本報告は,土壌熱源ヒートポンプシステムに関する研究の第3報であり,水平型埋設管の採熱能力と土壌温度の回復,暖房熱源としての利用可能性を実験的に明らかにしたものである.4種類の土壌熱交換器を土中深さ1.0〜1.8mに水平に埋設し,2箇年にわたり実験を行った.初年度は採熱能力と土壌温度回復に関する実験であり,同じ埋設溝であれば採熱量の差が小さいこと,ヒートポンプの熱源として長期間利用可能であることが示された.採熱終了後は土壌温度の自然回復が確認できた.第2年度はこれらの採熱部にヒートポンプを接続した暖房実験であり,今回の実験条件では平均採熱温度は-1.6℃であり,空気熱源式に比べても安定した暖房運転の可能性が示された.