抄録
世界の任意地点に建つ建物の空調計画を行うため,第1報で作成した世界3700地点余の月統計気象データファイルを基に,第2報の時刻別気象データ推定法を用いながら,周期定常による設計(最大)熱負荷計算および平均熱負荷計算を行うシステムを開発した.標準気象データの整備された日本の6都市を対象として,事務所ビルを想定したケーススタディを実施し,気象データおよび熱負荷の推定精度を検証した.設計負荷・平均負荷ともに,標準気象データを基に算出した値との差違は1割以下であり,実務的に有用であると判断した.また,日本以外に適用する場合の留意事項についても整理した.