1996 年 21 巻 60 号 p. 39-49
本報告は,土壌熱源ヒートポンプシステムに関する研究の第4報である.第3報で取り上げた水平型埋設管のうち,水平並列型を用いた土壌熱源ヒートポンプシステムの熱特性解析プログラムを開発し,熱媒の循環動力を考慮した適正な口径と間隔の関係,および札幌における必要埋設深さ,必要埋設面積などの設計条件を示した.また,ヒートポンプを用いた暖房運転のシミュレーションを行い,夏期の自然放置により土壌温度は回復し,熱源として長期的に使用可能であることを明らかにした.このことは,採熱量の大部分が地表面の入熱量と融熱量の差により賄われていることから裏付けることができた.