本報告では,FCU暖房システムで吹出し方向の違いが熱源を含めた全体システムの特性に及ぼす影響について考察した.熱源システムとして太陽熱システムと,未利用エネルギーを熱源に持つヒートポンプシステムの両者を対象として,単純であるが基本的なシステムに対し具体的な数値を求め考察した.その結果,低レベル熱源利用を前提としたFCU暖房システムでは,熱損失の減少を図ることのほか,温度レベルを低減することが重要であることがわかった.そのため,単純にFCU暖房システムを熱損失で評価するよりは,熱源システムを含めたほうが下吹出し方式の優位性が一段と高まることが判明した.