1999 年 24 巻 73 号 p. 105-115
本論文では,自然エネルギーをハイブリッドに活用したエネルギー自律型住宅のあり方について提案することを目的として,建築・設備計画のプロセスを提示し,実験住宅の建設と評価を行った.まず,エネルギー自律型住宅の概念を示し,各種省エネルギー手法に関するさまざまな組合せの実験が行える住宅の基本計画を行った.次いで,現状の戸建て住宅のエネルギー消費特性を実態調査によって明らかにした.さらに,実験住宅の断熱・気密性能と設備システムの評価を行い,年間一次エネルギー消費量の予測値が従来型住宅の約10%となることを示した.また,実験開始後1箇月間の測定より,導入した要素技術が良好に稼働していることを示した.