空気調和・衛生工学会 論文集
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複合熱源蓄熱システムの熱源機器効率解析
高橋 淳一近藤 雅史小林 光岡 建雄
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1999 年 24 巻 74 号 p. 91-100

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抄録
空調熱源システムの年間エネルギー量およびランニングコストを低減させるには,熱源機器の選定にあたり,ピーク時に効率の良い機器を選定するだけでなく,運転時間の大多数を占める部分負荷運転時の効率が良好な機器の選定と効率の良い点での運転時間が多くなるような,適切な台数分割を行う必要がある.そのためには,各熱源機器の部分負荷効率のデータが必要となる.そこで,複合熱源蓄熱システムを適用した既存の事務所ビルの空冷ヒートポンプチラーとガスだき冷温水発生機と蓄熱槽の運転データを1年半にわたり実測し,年間の負荷特性と成績係数(COP)を影響因子である外気温,送水温度,負荷率別に解析を行った.また,温度成層型蓄熱槽の放熱ロスの分析も行った.その結果,メーカー算出COPデータでは提示されていない負荷率30%以下の値を示すとともに,実測データがメーカー値より平均約10%低いこと,そして年間の蓄熱槽放熱ロスが冷房期3%,暖房期8%あることを示した.熱源システム解析のための基礎資料として,実測データによるシミュレーション用のCOP式を提案した.
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© 1999 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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