抄録
ワイドカバー型パーソナル空調使用時における呼吸空気質に関して,CFD解析により検討を行った.また,近年タスク域における空気質改善を目的として,吸着建材,および卓上吸着剤が普及している.これを踏まえて,パーソナル空調と同じく呼吸空気質の向上を目的とする吸着材を併用した場合におけるワークスペースの呼吸空気質の改善効果に関しても検討した.その結果,呼吸空気質には気流性状が大きく影響しており,換気経路を考慮しない吸着材の使用は呼吸空気質に対する改善効果がほぼなかった.また,スポットクーリング型とワイドカバー型の呼吸空気質改善効果には顕著な差は見られなかった.総合的に評価した場合,人体の熱中立時に対してはワイドカバー型が有用であり,スポットクーリング型との併用にも対応可能であることが示された.