抄録
住宅用燃料電池システムに,実際の電力負荷パターンを模擬する,短時間で変動する多数の電力負荷を与えるときの,システムの応答特性について調査する。そこで,燃料電池および改質器の排熱出力,ヒートポンプの熱出力と消費電力,システムで消費する都市ガス量のそれぞれと,短時間で変動する電力負荷の変動幅の関係を数値解析により調査した。この結果から,電力負荷の短時間での変動が,システムで消費する都市ガス量などに与える影響は大変小さいことがわかった。したがって,住宅用燃料電池をコジェネレーションとして利用する場合は,短時間の電力負荷の変動を考慮せずに,サンプリング時間幅(例えば1時間)での平均的な電力負荷で構成する負荷パターンを用いることで,十分に精度の高い解析が可能であると考えられる。