空気調和・衛生工学会 論文集
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オフィス空間における湿度が熱的快適性に与える影響に関する研究 : 第1報-空気温度・相対湿度の組合せによる温冷感の違い
田辺 新一堤 仁美鈴木 孝佳
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2006 年 31 巻 109 号 p. 1-9

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抄録
空気温度、相対湿度が被験者の熱的快適性に及ぼす影響を検討するための被験者実験を行った。空気温度25℃、28℃、30℃の3条件を設定し、それぞれの空気温度条件に対して、30%RH、50%RH、70%RHの3湿度条件を設定した。被験者として、健康な大学生年齢の男女各36名(計72名)が参加した。被験者は、実験中オフィスワークを模擬した作業を行い、3時間曝露された。定常状態における温冷感、熱的快不快感、熱的受容度は、空気温度が高い条件又は相対湿度が高い条件で湿度の影響を大きく受けたが、熱的中立に近い条件では湿度の影響は小さかった。一定温度環境では、湿度が乾湿感に与える影響は大きかった。一方、30%RH、50%RH一定湿度環境下で異なる温度条件を比較すると、空気温度が乾湿感に与える影響は小さいことが分かった。この実験結果を、田辺・木村らによって早稲田大学において行われた被験者実験及びカンサス州立大学においてRohlesらによって行われた実験と比較した。日本人、米国人とも温冷感申告はよく似た傾向を示すことが分かった。また、PMVよりSET^*の方が温冷感申告値、熱的快不快感申告値と高い相関関係を示していた。
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© 2006 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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