空気調和・衛生工学会 論文集
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LiBr水溶液/水を作動媒体とする吸収冷凍機のIn-plant濃度測定法の研究 : 第2報-静電容量,pH法によるLiBr濃度の基礎的検討
高橋 晋中村 皓一山田 章松崎 晴美高橋 燦吉
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2006 年 31 巻 111 号 p. 1-8

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抄録
報告者らはLiBr水溶液-水を作動媒体とする吸収冷凍機内の媒体濃度を簡便,高性能に測定可能なIn-plant計測技術の研究開発を進めている。第一報では,非吸湿性の強電解質NaCl,KClおよびK_2SO_4の3種の水溶液を供試した実験で,静電容量ScとpHの濃度依存性は,各塩の飽和濃度を基準とする濃度の無次元表示により,塩種によらずそれぞれ1本の特性線に統一表示され,それらの近似式を用いれば,水溶液の濃度を高精度に測定可能なことを示した。本論文は吸収冷凍機の作動媒体である強い吸湿性を持つLiBr水溶液への前報成果の適用性を実験的に検討した。LiBr水溶液のSc及びpHの濃度依存性は,前報と同様に無次元濃度表示により,液温によらず1本の近似式で統一表示できる。この特性により,極低濃度域はSc,pH併用法で,他濃度域はpH単独法で濃度測定可能である。特に,極低濃度域における高感度なSc特性を活用し,吸収冷凍機のキャリーオーバ等による冷媒(=水)中へのLiBrの混入も検出可能である。LiBr水溶液に添加される腐食防止剤の影響は極めて微小で,Sc,pH法は適用できる。
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© 2006 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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