多炎孔型バーナ方式の予混合燃焼装置では,缶体系の幾何学的な形状に依存した周波数域で,高レベルの燃焼振動騒音が発生する傾向が強い。そのため,騒音の抑制策を確立することが不可欠である。本研究では,燃焼振動騒音が缶体系の気柱共鳴現象に類する卓越したレベルの周波数スペクトル成分を持つことに着目し,滑動栓式・円筒型消音器による受動的な騒音の抑制策を提案する。本報告では,燃焼振動騒音の基礎的な特性を明確にした後,消音器による騒音の抑制効果,および,消音器の諸特性と最適調整条件について実験的に検証する。その結果,消音器の付設による騒音の抑制効果は極めて大きく,暗騒音レベル域まで最大で約40dB低減できることが判明した。