2009 年 34 巻 145 号 p. 1-7
ヒートポンプ給湯機の室外機から排出される冷熱による熱環境緩和効果について,建物壁面や道路面からの放熱及び空調排熱との相互影響を考慮して検討を行った.夏期の測定結果より,給湯機の室外機は4:00〜6:00頃に1時間半から2時間程度稼働していた.室外機の吸込みと吹出し温度の差は,夏期の測定結果を平均すると,給湯機で約-3.9℃,空調機で約+5.3℃となった.3つのモデル街区において熱収支と流体の計算を行った.街路空間の気温は,長屋住宅地区は戸建住宅地区より室外機の影響を受けやすく,集合住宅地区は今回想定した室外機の配置ではベランダ空間においてのみ影響がみられる結果となった.