2009 年 34 巻 145 号 p. 21-28
シリカゲル-水吸着冷凍サイクルは,100℃以下の熱エネルギーを有効利用できる冷熱生成装置として期待されている.著者らはフィンチューブ型充填層の高効率化に着目し,考案したユニットモデル吸着器において熱および物質移動特性の評価を行ってきた.ユニットモデル吸着器は,小型で1本の伝熱管のみを用いる構造になっている.小型にすることで伝熱管の形状等の条件を変えた実験が容易に行え,そして1本のフィンチューブ型充填層において起こる現象を捉えることで,実機の吸着器における現象を予測することが可能となる.本報では,バインダでシリカゲル粒子を固定したフィンチューブ型充填層のフィン高さの最適化について実験的に検討を行った.