空気調和・衛生工学会 論文集
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地表面の影響を考慮した地中熱ヒートポンプシステム性能予測ツールの開発
葛 隆生平田 統大
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2014 年 39 巻 207 号 p. 19-27

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抄録

地中熱交換器の採放熱の影響を考慮した地中温度変化と地表面の影響による地中温度変化を重ね合わせることが可能であることを示し、地表面の影響を考慮した地中熱ヒートポンプシステム性能予測ツールを開発した。長さ30mの地中熱交換器を用いた熱応答試験を実施することによって得られた地中熱交換器出口温度の実測値と、開発したツールによる計算値を比較することにより、ツールの計算精度を検証した。その結果相対誤差は43%となり、高い再現性が得られていることが確認された。また、長さの短いボアホール型地中熱交換器を使用した地中熱ヒートポンプシステムを、温暖地域の戸建て住宅に導入した場合のシミュレーションを行った。1本あたりの地中熱交換器長さを10mに設定した場合の計算結果と、地中熱交換器長さを100mと設定した場合の計算結果を比較したところ、長さ10mの条件では地表面の影響により約23%の熱交換性能の低下が見込まれることが分かった。

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© 2014 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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