抄録
人体各部の投影面積率を用いて,計算負荷が小さく,かつ部位別の評価が行える人体の放射解析手法を提案する。第1報での壁面と人体各部との形態係数算出に続き,本報では,壁面からの部位別放射受熱量の算出方法を示す。また,本手法は,部位間の形態係数を事前に用意することで,人体の他部位からの放射熱を含む部位別の総放射受熱量の算出まで拡張可能であることも示す。さらに,部位別の投影面積率の導入や椅子等による壁面からの放射熱伝達の遮蔽の考慮等,提案する一連の手法が,人体の放射受熱量の評価に及ぼす効果について考察を行うと共に,姿勢,体型,向きの異なる人体を多数配置した解析を行い,室内空間の放射環境の把握に適用した例を示す。