2015 年 40 巻 225 号 p. 23-28
冷房の省エネルギー化のために,水の蒸発潜熱を利用した多くの冷却技術が開発されている.本研究では,既設の換気口から取り込まれた空気を水の蒸発潜熱で冷却することにより,室内の冷房負荷を低減して冷房用電力の省エネルギー化を促進することを目指す.本報告では,保水率が130mass%で蒸発速度が3.21g/(m^2・min)の供試布をアルミニウム板に貼り付けた蒸発冷却板を気流方向に対して平行に10〜30枚設置し,それに供給される水の蒸発による気流の冷却量を調べた.その結果,流入する空気の温度が高く湿度が低いほど気流の冷却量が大きく,気流速度が速く蒸発面積が広いほど冷却量がさらに大きくなることが明らかになった.