2015 年 40 巻 225 号 p. 29-36
家庭用エアコンのCOPは利用条件によって大きく変動し、カタログ値から乖離する。そこで著者らは、任意の運転条件において消費電力・COPを精度よく推定するための熱源特性モデルを開発している。これまでに、冷房、暖房運転時における定常状態を対象とした2機種の試験を行い精度検証を行うとともに、熱源特性モデルを用いて算出した期間消費電力量をメーカー公表値と比較することで、様々な市販機種への適用可能性を検証した。しかし住宅での実際の利用時にはエアコンの利用条件は時々刻々変化するため、過渡状態におけるエアコンの消費電力を算出できるモデルの構築が必要である。そこで本報では、非定常状態におけるエアコンの熱処理量・消費電力を推定するために熱源特性モデルを改良し、試験によってその妥当性を検証する。