2018 年 43 巻 254 号 p. 71-78
本論文は,都市部に建つ本部機能を持つオフィスビルに関する計画及び性能検証報告である。計画にあたっては,働きやすさと環境への優しさを高い次元で両立する次世代環境志向オフィスの創生を目指した。その実現のため,平面計画ではペリメータアイルを,断面計画ではリバーススラブを採用することで環境建築としての基本骨格を創り,様々な環境技術を組み合わせることで,より少ないエネルギーで安定した内部環境を創り出す「自律安定型環境建築」を構築した。室内環境実測及びエネルギーデータ解析により,室内温熱環境の自律安定性,自然エネルギー利用の拡大,エネルギー消費量の低減効果を確認した。