間欠冷暖房が一般的である日本の住宅において、冷暖房システムの消費エネルギーは、建物躯体の断熱性能のみならず、蓄熱性能の影響を受ける。しかしながら、断熱性能が冷暖房システムの消費エネルギーに与える影響を評価した研究にくらべて、蓄熱性能が与える影響を評価した先行研究は少ない。本研究では、蓄熱性能の違いが消費エネルギーに与える影響をシミュレーションにより評価した。その結果、蓄熱性能が高いほど消費電力量が少なくなることを明らかにした。さらに、異なる断熱性能における蓄熱性能が消費エネルギーに与える影響を評価した結果、断熱性能が高いほど蓄熱性能の向上による冷暖房合計消費電力量の低下率が大きくなることがわかった。