2018 年 43 巻 261 号 p. 1-9
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による実際の計測データ(BEMS データ)の不具合検知・診断(FDD)がより適切となるよう,シミュレーションにより作成した不具合データと不具合がない場合のデータの差分を正規化し,不具合が生じたデータのみを抽出し,各ラベルのデータ数を均等にする前処理手法を提案した。本手法に従い前処理された不具合データを学習した CNN を 1 年間の BEMS データに適用し, CNN による診断結果と BEMS データ分析結果とを比較することで本手法が適切であることが示された。加えて,システムが有する不具合は運用条件によりデータに発現または潜伏し,これが本研究の提案するFDD 手法により捉えられることが示された。