2020 年 45 巻 275 号 p. 25-32
本研究は事務所ビルを対象に,LCEM ツールを用いて一貫した評価指標及びシミュレーションツールでエネルギー評価を行い,各フェーズでのエネルギー評価を行うとともに,運用段階での BEMS 等を用いた実測との比較から,シミュレーションの妥当性の確認及びシミュレーションにおける課題の把握を行い,ライフサイクルエネルギーマネジメントに必要な知見を得ることを目的とする。本論では,対象となる実建物の概要,企画・計画,設計,施工,運用段階の各フェーズにおける空調システムエネルギーシミュレーションの概要及び計算結果,運用段階の実測における計測項目及び計測結果を示し,両者の比較からシミュレーションの有効性及び課題を確認した。