空気調和・衛生工学会 論文集
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分岐管内の流動機構 : 第3報-層流における流動様相
嵩 哲夫川上 成一郎
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1980 年 5 巻 14 号 p. 67-78

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抄録

分岐管内の流動機構を系統的に知るため,断面形状が長方形で分岐角度が45°,90°および135°で面積比が1.0,ならびに分岐角度が90°で面積比が1.5および2.0なる総計5種類の分岐管の層流における流動様相を詳細に観察するとともに,その結果を考察した.得られた結果を要約すれば,つぎのとおりである.1)分岐管内の流れは三次元であるが,管軸を含む平面の近傍においては二次元的特性を有する.2)主管下流および枝管内には,図-8から図-11までに見られるようにせき止め点S_tを囲むように巻き上がったはく離渦層V_<BCu>とV_<BCl>が存在し,それぞれの部分における二次流れの核心となる.また,枝管内はく離領域には,図-13に示すような一対の独特なきのこ状の渦V_Eが存在する.3)図-14から図-16までに示されるように,主管におけるはく離領域の長さはレイノルズ数R_<1r>と流量比Q_2/Q_1の影響を受けるが,枝管におけるそれはR_<1r>,Q_2/Q_1,分岐角度θ_0および面積比mの影響を受ける.4)流線に対する管軸を含む平面における実験結果と自由流線理論による計算結果は,図-2から図-6までに示されるようにかなりよく一致するが,この事実は解析結果において障壁が現れる場合においてすら成り立つ.5)主管内はく離点に関する実験結果と理論的解析による結果は,図-17から図-21までに示されるように定性的に一致する.ただし,両者の一致点は,θ_0,mのほかにR_<1r>およびQ_2/Q_1の影響をも受ける.

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© 1980 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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