2023 年 86 巻 1 号 p. 21-29
高齢者社会が急速に進んでいる昨今,90歳以上の超高齢者への外科手術はまれでなくなってきた.今回われわれは超高齢者MRONJ患者に対し,全身麻酔下で外科的療法を施行した4例について検討を行った.4例の年齢は平均94.3歳で,骨粗鬆症の治療に対して3例はビスフォスフォネート製剤の内服,1例はデノスマブ製剤の皮下注射を行っていた.すべての症例で重大な術後合併症なども認められず術後の経過も良好であった.しかし,超高齢者の手術では全身状態や社会背景から手術の適応をより慎重に判断し,quality of lifeの改善を最優先した治療を選択する必要があり,慎重に検討が必要であると考えられた.