歯科医学
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睡眠時無呼吸症候群に対する持続陽圧呼吸療法の効果に及ぼす背景および使用条件の影響
元根 正晴 志水 秀郎楠 博奥野 健太郎高橋 一也中嶋 正博
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2023 年 86 巻 2 号 p. 111-114

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抄録

我々は,2019年4月1日より大阪歯科大学附属病院の内科外来に睡眠時無呼吸症候群外来を設置し,医科歯科連携で睡眠時無呼吸症候群の診断・治療にあたっている.中等症以上の睡眠時無呼吸症候群患者に対して第一選択とされている持続的陽圧呼吸法の治療効果に及ぼす背景因子及び使用条件について統計的に検討した.持続的陽圧呼吸療法を3か月以上継続している患者19人を対象とした.治療開始3か月後の無呼吸低呼吸指数5未満をコントロール良好群としたときに,コントロール状況と有意な関連を認めたのは,4時間以上の使用日数および4時間以上の使用日数が全使用日数の70%以上の患者比率の2つであった.多変量解析の結果も同様であり,この2つの因子は持続的陽圧呼吸療法の治療効果に独立して関連していた.これらの結果から,持続的陽圧呼吸療法の治療効果判定には,これら2つの因子を指標として用いるのが適切であった.

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© 2023 大阪歯科学会
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