色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
技術論文
超音波減衰法を用いた無機粉体スラリーの粒度分布測定-粒度分布に及ぼすスラリー濃度および粒子間相互作用の影響-
矢田 絹恵細井 和幸武田 真一
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 82 巻 10 号 p. 437-442

詳細
抄録

近年開発された超音波減衰法を用いて無機粉体スラリーの粒度分布を測定し,スラリー濃度をさまざまに変化させたときの粒度分布の結果から,超音波減衰法が有用である濃度領域,および高濃度スラリーにおける粒子間相互作用について調査した。その結果,スラリー濃度1~20 vol%の範囲では一次粒子径が評価可能であり,30および40 vol%の高濃度範囲では粒子間相互作用を有することが示唆されるデータを得た。
これらの結果から,超音波減衰法を用いた粒度分布測定によって,1~20 vol%のスラリー濃度範囲で一次粒子の評価,30および40 vol%では粒子どうしの相互作用により生じた凝集粒子の評価ができ,濃度範囲に応じた品質管理が行えることを見いだした。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 色材協会
次の記事
feedback
Top