色材協会誌
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研究論文
塩酸水溶液曝露されたライニング用ポリエチレンの劣化
Chau Van DINH久保内 昌敏酒井 哲也津田 健小林 良治
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2009 年 82 巻 3 号 p. 105-111

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抄録

本報は塩酸水溶液における防食ライニング用無水マレイン酸およびその他の変性ポリエチレンの劣化挙動を検討したものである。二種類の変性ポリエチレンについて0,10,20%の塩酸濃度,40,60,80℃で劣化挙動を調査した。比較として未変性のポリエチレンについても同様の条件で試験した。重量変化,塩素の浸透,化学構造変化について調べた。
浸漬試験の結果,未変性ポリエチレンでは水と塩素の浸透が単純にFickの法則に従ったのに対し,変性ポリエチレンは二種類ともに水と塩素の浸透が低温領域でのみFickの法則に従い,80℃の塩酸水溶液浸漬では二つの飽和ステージが見られた。サンプルに劣化は見られたが,ポリエチレン樹脂そのものは化学的な劣化は確認されなかった。高分子の変性化学成分に起因するIRスペクトルに,高温になるほど大きな劣化が確認された。EDSによる塩素マッピングから塩素がポリマー中へ浸透する挙動を評価した。

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© 2009 一般社団法人 色材協会
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