ポリウレタンディスパージョンと放射線硬化技術は,UV硬化型ポリウレタンディスパージョン(UV-PUD)において同時に利用されている。産業界はこの2つの技術の組み合わせを歓迎している。ポリウレタンディスパージョン技術は応用分野を選ばない自由度を高度な機械的耐久性と化学的耐久性を両立しつつ与えることができる。さらにUV硬化前のタックフリーコーティングも可能になり,これらUV-PUDの高分子量化により硬化収縮が低減され密着性が改善することができる。他のUV配合に比べて粘度が低くスプレー塗装にも理想的である。また共溶剤,反応性希釈剤,アクリルモノマーも不要で健康や環境にやさしいコーティング技術である。
このUV-PUDにおける課題はプレ乾燥における水の除去と形成された塗膜の加水分解安定性であり,それが実用上のネックであった。われわれはこの課題をダイマー脂肪酸ベースの加水分解安定性に優れるポリエステルポリオールを使用することにより解決を試みた。
本稿では最初にこのポリエステルポリオールが従来のポリウレタンディスパージョンの加水分解安定性を改善することを示した。それに引き続き従来のポリウレタンディスパージョンの諸特性はUV硬化型ポリウレタンディスパージョンおよびそのコーティングに移行されている結果を示した。さらに密着性に関連してウレタンアクリレートへ本技術がどのように影響するか示した。
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