2010 年 83 巻 10 号 p. 417-420
本研究では,新たな有機蛍光材料として注目されているフェノチアジンに,高い溶解性を有する2-エチルヘキシルブロマイドを付加させ,Suzuki-Miyauraカップリングを用いて共重合を行った。生成ポリマーは,数平均分子量(Mn),9.8×103重量平均分子量(Mw)15.7×103であり,トルエンやクロロホルムなどの有機溶媒に可溶であった。TG測定によるポリマーの熱重量損失開始温度は,378℃と一般的な蛍光性高分子材料に比べ高い熱安定性を示した。また光機能性について検討した結果,蛍光スペクトル測定では493 nmにおいて蛍光ピークを示し,青緑色に発光した。