色材協会誌
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研究論文
粘土ベントナイトとの複合化によるフラビリウム色素の安定化
河野 芳海星野 亮生駒 修治柴田 雅史松島 良華冨田 靖正前田 康久小林 健吉郎
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2010 年 83 巻 3 号 p. 103-107

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抄録

天然色素アントシアニンのモデル化合物であるフラビリウム色素を,天然品の粘土であるベントナイト層間に取り込み,その安定性を向上させた。フラビリウム色素とベントナイトの複合体は,353 K程度の加熱下,あるいはpH=9程度のアルカリ性条件下において,元のフラビリウム色素よりはるかに高い安定性を示した。この材料は環境に優しい色材としての応用が期待される。色素量を増すと,色素凝集体形成にともなう色の濁りが生じた。鮮やかな色が保てるのは粘土1 g当たりの色素添加量が0.25 mmolまでであった。

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© 2010 一般社団法人 色材協会
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