色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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83 巻, 3 号
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研究論文
  • 河野 芳海, 星野 亮, 生駒 修治, 柴田 雅史, 松島 良華, 冨田 靖正, 前田 康久, 小林 健吉郎
    2010 年 83 巻 3 号 p. 103-107
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2010/06/20
    ジャーナル フリー
    天然色素アントシアニンのモデル化合物であるフラビリウム色素を,天然品の粘土であるベントナイト層間に取り込み,その安定性を向上させた。フラビリウム色素とベントナイトの複合体は,353 K程度の加熱下,あるいはpH=9程度のアルカリ性条件下において,元のフラビリウム色素よりはるかに高い安定性を示した。この材料は環境に優しい色材としての応用が期待される。色素量を増すと,色素凝集体形成にともなう色の濁りが生じた。鮮やかな色が保てるのは粘土1 g当たりの色素添加量が0.25 mmolまでであった。
総合論文
解説
  • 森賀 俊広
    2010 年 83 巻 3 号 p. 115-120
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2010/06/20
    ジャーナル フリー
    ペロブスカイト型LaTiO2NのO/N比,Ti/La比,およびLaの一部をSrに置換した試料のSr/La比を独立に変化させることにより,さまざまな色を呈する酸窒化物顔料を作製した。O/N比の増加により基礎吸収端のエネルギーは大きくなり,この結果,赤橙色であったLaTiO2Nが黄色を経て白色に変化するなど,O/N比により試料の基本的な色調が決定された。また,Ti/La比の増加により,基礎吸収端より長波長側の反射率が低下するため,試料が暗くなった。Laの一部をSrに置換すると,Srの置換量に比例して基礎吸収端より長波長側の反射率が向上した。とくにTi/La>1の場合では,Sr置換は基礎吸収端の長波長側直後の反射率は向上させるが,それとともに陰イオン欠損の生成を増加させ,可視光の長波長領域,すなわち赤色領域の反射率を低下させた。これらLa-Sr-Ti-O-N系酸窒化物の特徴を利用して,無毒で上記ユビキタス五元素よりなる三原色顔料を作製することに成功した。
解説
総説
  • 金 聖勲
    2010 年 83 巻 3 号 p. 129-138
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2010/06/20
    ジャーナル フリー
    有機系フォトクロミック化合物は無機系に比べて,色濃度,色彩の鮮やかさや多様性などに優れており,視覚に直接かかわる機能性素材として注目すべき特徴を有しているにもかかわらず,このように大きく遅れをとった原因はその光劣化にある。スピロオキサジンは発消色速度がはやく,繰り返し耐久性が非常に高いことから調光レンズ,光変色型製品等に用いられる。本研究では,光照射により可逆的に色が変化するスピロオキサジン系色素について,それ自身の物性や機能,および,その分子のおかれた環境の可逆的制御の観点から概説した。
ナノテクノロジー講座(第IX講)
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