ペロブスカイト型LaTiO
2NのO/N比,Ti/La比,およびLaの一部をSrに置換した試料のSr/La比を独立に変化させることにより,さまざまな色を呈する酸窒化物顔料を作製した。O/N比の増加により基礎吸収端のエネルギーは大きくなり,この結果,赤橙色であったLaTiO
2Nが黄色を経て白色に変化するなど,O/N比により試料の基本的な色調が決定された。また,Ti/La比の増加により,基礎吸収端より長波長側の反射率が低下するため,試料が暗くなった。Laの一部をSrに置換すると,Srの置換量に比例して基礎吸収端より長波長側の反射率が向上した。とくにTi/La>1の場合では,Sr置換は基礎吸収端の長波長側直後の反射率は向上させるが,それとともに陰イオン欠損の生成を増加させ,可視光の長波長領域,すなわち赤色領域の反射率を低下させた。これらLa-Sr-Ti-O-N系酸窒化物の特徴を利用して,無毒で上記ユビキタス五元素よりなる三原色顔料を作製することに成功した。
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