色材協会誌
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解説
優環境型酸化物顔料の現状
増井 敏行温 都蘇今中 信人
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2011 年 84 巻 12 号 p. 439-443

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抄録

無機顔料は,セラミックス,ガラス,プラスチック,塗料等の着色用色材として利用されている。しかしながら,既存の無機顔料の多くは,強い毒性を示す金属(鉛,六価クロム,カドミウム等)を含んでいる。このため,欧州のRoHS指令を筆頭に,わが国を含めた世界各国において,人体や環境に対する悪影響を懸念し,既存の顔料にとって代わるような環境に優しい新しい顔料の開発が強く求められている。無機顔料には,主として酸化物系,窒化物系,硫化物系があるが,有機物が完全に燃えてしまうような高温でも使えるのは酸化物系の無機顔料だけである。本稿では,色の三原色である,黄,赤,青それぞれに対して,人体に有毒な元素,および環境に対し負荷の大きい元素をいっさい含まない無機酸化物顔料の研究開発動向を概説する。

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© 2011 一般社団法人 色材協会
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