オイルワックスゲルを揮発性シリコーン蒸気と共存させると,ゲル表面にオイル分離が発生する。このオイル分離現象の機構と抑制方法について検討を行った。ゲルからのオイル分離は,揮発性シリコーン蒸気がゲル中のオイルに溶解し,オイルがゲル表面に押し出される機構であることが明らかになった。一般に知られている高湿度におけるオイル分離現象に比較して,揮発性シリコーン蒸気の場合はオイル分離量がはるかに多く,また分離抑制方法として知られている分岐ワックスや各種粉体をゲルに添加しても効果はみられなかった。一方,大粒径板状粉体をゲル表面に薄く付着させる方法を試みたところ,粉体の粒子間にオイルを保持することにより,見かけ上のオイル分離の抑制効果がみられた。