抄録
2011年の東北地方太平洋沖地震以降,われわれは生活環境について深く考えるようになり,省エネルギー,省資源を目指した製品開発が必要となっている。洗濯用洗剤は生活を支えてきた反面,1960年代における河川での発泡,1970年代における富栄養化など,環境汚染とかかわってきた歴史をもっている。それゆえ,環境問題の解決に積極的に取り組み,日本の洗剤技術は進歩してきた。本稿では,洗濯用洗剤が行ってきた生分解性界面活性剤の導入,無リン洗剤の開発,ライフサイクルアセスメントの考えによる環境対応への取り組み事例を紹介する。