色材協会誌
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量子ドット色変換層(QDCC)用インクジェットインク
清都 育郎
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2019 年 92 巻 6 号 p. 158-164

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抄録

われわれは次世代ディスプレイとして期待されている量子ドット色変換(QDCC)層搭載ディスプレイの重要部材であるQDCC層用インクジェットインクの開発を行っている。これまでに熱硬化型インク(ソルベント含有)とUV硬化型インク(ソルベント非含有)の基本設計を完了し,両者の光学物性,インクジェット吐出性を比較した。またバンク付きガラス基板上にインクジェット塗布によってQDCC層を作製した。熱硬化型インクのほうが同じQDCC層膜厚でUV硬化型インクよりも高い光変換効率が得られるが,QDCC層製造時の生産性や膜平滑性はUV硬化型インクのほうが優れることがわかった。また,UV硬化型インクを使用して作製したQDCC層は,市販のOLEDテレビに匹敵する色再現範囲を有することがわかった。

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© 2019 一般社団法人 色材協会
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