色材協会誌
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研究論文
アルミニウムとシリコンゴム複合体の界面でのゴム分子運動特性と化学結合に関する研究
Xueliang Deng桑 静 會澤 純雄森 克仁平原 英俊
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2021 年 94 巻 6 号 p. 149-157

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抄録

金属とポリマーの接着,複合化は,幅広い産業に使用されている。複合材料の特性および耐久性を得るため,界面の接合および接着メカニズムを解明するのが重要である。本研究は,トリアジン系シランカップリング剤を使用し,アルミニウム(Al)とポリジメチルシロキサン(PDMS)を表面処理し,加熱加圧により金属とポリマーの界面化学結合を形成した。五種類の厚みを変えたPDMSシートおよびAl/PDMS複合体を引っ張り試験,結合強度試験,膨潤実験,および動的粘弾性の分析を行い,接合界面の特性および分子運動を検討した。Al/PDMSの界面は,化学結合により,膨潤度が低下し,転移温度が高温になる傾向がある。金属との化学結合が界面付近のゴム分子運動を束縛することを明らかにした。この研究により,金属-ポリマー複合材料,金属の耐腐食コーティングの応用に期待される。

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© 2021 一般社団法人 色材協会
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