色材協会誌
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光触媒による選択的な微生物の不活化
臼杵 翔大和屋 健二中田 一弥
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2022 年 95 巻 9 号 p. 262-268

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抄録

光触媒は抗菌・抗ウイルス材料として広く用いられている。TiO2などの従来の光触媒はさまざまな微生物を無差別に不活化することができるため,有害な微生物を排除する点で有効であった。一方で,光触媒を用いて特定の微生物を不活化することができれば,さらに広い分野で光触媒を応用していくことができる。本解説では,ユニークな例である選択的な微生物の不活化が観察された光触媒について取り上げる。ウイルスの代替であるファージのタンパク質に着目し,モデルタンパク質との比較を行うことで解明した選択的な微生物の不活化のメカニズムの詳細および具体的な解析方法について解説した。

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© 2022 一般社団法人 色材協会
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