色材協会誌
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ビニル系樹脂の安定剤に関する研究
神津 治雄
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1952 年 25 巻 2 号 p. 25-37

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抄録

ビニル系樹脂の安定剤として,米国のAdvance社の製品数種類,その他の2種類の製品を,代表的な塗料用樹脂UCC社のVYHH-1に対して使用して,安定化効果を調べた.
日本製の数種類の安定剤と三種類の樹脂との配合物を試験した。
国産のPVC-Acの一種類を用い,各種の安定剤との組合せ,可塑剤の影響,安定剤の混合による共同性等に就て検討した。
今迄の試験結果から解つた耐熱性にすぐれた安定剤と耐光性にすぐれた安定剤とを組合せた場合を試験し,又幾つかの別種の安定剤に就いて試験した。
前回の試験の結果,純粋なリシノレイン酸を用いたカドミウム塩が良い成績を示したので色々と製法を異にするリシノレイン酸カドミウム約20種類に就て,その安定化効果をしらべた。併せて安定剤の使用量に就て検討した。又,鉛やカドミウムの脂肪酸塩はビニル樹脂溶液中に分散しにくく,放置中に安定剤が沈澱する傾向が強い。上澄液からの塗膜と,分散系からの塗膜との安定度を比較した。

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