色材協会誌
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カーボンブラックに依る合成表面活性化合物の收着
小島 藤吉
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1952 年 25 巻 2 号 p. 37-39

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抄録

数種のアニオン, カチオン, 非イオン表面活性化合物のカーボンブラック (以下C.Bと略記す) に依る水溶液からの収着を測定した。之等の収着は研究を行つた濃度範囲 (0.01%~0.2%wt) ではFreundlichの吸着式に従わない。多くの場合曲線傾斜の急変は大凡各活性化合物の臨界ミセル濃度(以下C.M.C.と略記す)に相当すると思われる濃度で起る。この臨界点以上の濃度ではlogX/logC線図は直線と思われる。しかしそれ以下では二三の場合に見られる如く直線から明らかに逸脱している。Na-alkyl Sulfatesの収着は一定温度にてalkyl基の鎖の長さと共に増加し同鎖長では温度の上昇と共に減少する。化学組成の異り, 且つアニオン, カチオン, 両活性剤を含めた一聯の化合物が吸着の一般標準に関しては明らかに類似である事が示された。二つの代表的な非イオン活性化合物が研究に使われた他の化合物よりもより強く特に高濃度にて収着される事が分かつた。アニオン化合物の溶液にNa2SO4を添加すると常にその収着を増加する。

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