色材協会誌
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新黄色アゾ顔料の研究 (第4報)
新黄色モノアゾ顔料の研究
田中 幸蔵萩野谷 稔阪井 英彦
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1967 年 40 巻 11 号 p. 519-525

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抄録

1-アセトアセチルアミノ-2-メトキシベンゼン-5-N, N'ージエチルスルホソ酸アミドをカップリング成分としジァゾ成分のベンゼン核にクロル原子, ニトロ基, メチル基, メトキシ基を導入した不溶性モノアゾ顔料を合成し, 顔料の色相およびその他の諸性質に及ぼす置換基の影響について調べた。その結果, 色相については, クロル原子を置換基として含んだ顔料は浅色的となり, 純度も小さくなったが, 置換基の系統的な影響はなかった。耐光性に関しては, モノ置換の顔料ではクロル原子またはニトロ基のような陰性置換基を含む顔料がメトキシ基またはメチル基のような陽性置換基を含むものより耐光堅戸ウ性が強かった。ジ置換の顔料はモノ置換よりはるかに耐光性が強く, 置換基の組み合わせは, ニトロ基とクロル原子, ニトロ基とニトロ基のような陰性基2個の場合よりは, ニトロ基とメトキシ基, ニトロ基とメチル基の2個の組み合わせの方が耐光性が強くなっている。耐溶剤性に関しては, 系統的な規則性は得られなかったが, 各溶剤に対し良好な耐溶剤堅ロウ性を示した。

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