色材協会誌
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ウルトラリン酸塩の鉄への防食効果
酒井 康太郎中村 章
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1967 年 40 巻 5 号 p. 205-210

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抄録

塗装前処理の一つの方法としてリソ酸塩皮膜処理がよく使われているが, それは基本的には鉄イオンとリン酸 (HO-O=P<OHOH) の持つOH基との結合の強いこと, またリン醐力糠伝導度の小さいことより鉄素地との密着の強いリン酸塩皮膜を形成させ, サビの拡散を防いでいるといえる。
この際, 鎖状ポリリン酸またはその塩, 立体網目構造を持つウルトラリン酸またはその塩は多くの活性OHを持ち, 鉄との結合がさらに強くまたその中高分子的構造とにより, サビを主としてウルトラリン酸鉄, ポリリン酸鉄を主体とした化合物に変換させ, 一種のサピ止メ皮膜を形成させることができると考え, 主としてサビ鉄板を対象として研究を行なった。その結果, サビの層を相当の防食効果を持つリン酸塩系防食膜に変換させることができた。

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