色材協会誌
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印刷インキ用極微細炭酸カルシウムペーストの流動特性
釣谷 泰一
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1968 年 41 巻 7 号 p. 317-332

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抄録

ロジン酸および脂肪酸表面処理を行なった印刷イソキ用超微細炭酸カルシウムと, 重合アマニ油, グリセリン, 流動パラフィンのような極性の異なるビヒクルを用いて, 作ったペーストの流動特性を研究した。ペーストの調整はフーバーマーラーを用い, 測定はスプレッドメーターとラレー粘度計で行なった。
実験の結果, ずり速度範囲, スプレドメーターの荷重を変えることによって, 各組合せペーストの流動曲線は著しい差異を生じた。表面処理剤の脱着率, 炭酸カルシウム粉体の濃度, ピヒクルの種類によってもはなはだしい特異なフローカーブを描き, そのような材料面の要因と測定上のファクターが, 最も単純な系と思われる炭酸カルシウムペーストでさえ, きわめて留意すべき, 流動特性を示すものであることがわかった。
そして, それらのフローカーブの特異性と要因との関係につき, 究極においては系の原始状態における粒子~ビヒクル間の界面機作に基づく, 相互作用ポテンシャルの大小に基因し, それらの解明こそペースト系の流動特性を左右するきめ手であることを結論した。

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