1968 年 41 巻 7 号 p. 339-344
ベソガラの粒度分布測定について検討を行ない, 次のような結果を得た。
懸濁液の分散性は分散剤濃度・懸濁粒子濃度・懸濁液中の不純物などにより大きく左右され, (1) 分散媒に水 (W), 分散剤にヘキサメタリン酸ナトリウム (Na-HMP) を用い, 懸濁粒子濃度1.5%の場合Na-HMP濃度0.005~0.05%で最良の分散状態を示し, 懸濁粒子濃度を0.015%以下にすると, ほとんど分散剤濃度による影響はみられなかった。 (2) 沈降テンビン法での懸濁粒子濃度はNa-HMP濃度0.01%のとき1~3%が最適であった。 (3) 塩酸などの不純物が分散性に及ぼす影響は大であった。
また測定法には沈降テンビン法・ピペット法・光透過法・電顕法を採用したが, (4) いずれの方法も再現性が良好であり, (5) 最良分散状態の下では, 各測定法間の測定結果はかなり良い一致を示した。