1978 年 51 巻 10 号 p. 588-598
体質顔料および布をもちいての木地形成で, つぎの結果を得た。
1) Y.S., K.S.系列ともいずれの混合比, 供試樹種においても形成木地工程順に, 木材ひずみは減少し緩衝効果が得られた。Y.Y.系列ではいずれの混合比, 供試樹種においても緩衝効果との間に明らかな関係が得られない。
2) 不定形板状粒子の石英が, Y.S.系列でカオリナイトの扁平粒子層内で配向が得られやすく, K.S.系列のハ官イサイトの柱状粒子層内では, それは得にくい。
3) 木材に発生するひずみの緩衝効果では, 体質顔料目止め層および体質顔料表層が大きく作用し, 布練り付け層はこれらを木材表面に保持固定するものとみなされる。