色材協会誌
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亜硫酸カルシウム水和物の生成に与えるリン酸イオンの影響および球晶の多層構造
松野 昂士小石 真純
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1983 年 56 巻 11 号 p. 699-706

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抄録

水酸化カルシウム懸濁液と二酸化硫黄との半回分式不均一反応系 (<40℃) に三リン酸ナトリウム, ピロリン酸ナトリウム, あるいはリン酸水素ニナトリウムを少量共存させることにより, 亜硫酸カルシウム半水和物球晶が高収率で得られた。反応温度および上記添加物濃度を変えることにより, 上記反応系から亜硫酸カルシウム四水和物結晶が得られた。添加物の効果の大きさの順は三リン酸ナトリウム>ピロリン酸ナトリウム>リン酸水素ニナトリウムであった。
上記リン酸塩を加えて, 半回分式均一系反応を繰り返し行うことにより, 多層構造を有する半水和物球晶が得られた。また, 上記リン酸塩の添加により, 連続式不均一系反応によっても, 高密度の放射状構造を有する半水和物球晶がきわめて収率よく生成した。

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