色材協会誌
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ポリマーエマルションの放射線加工 (VI)
熱硬化性エマルションの合成
幕内 恵三高木 徹江草 茂則
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1983 年 56 巻 7 号 p. 443-448

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抄録

メタクリル酸n-ブチル, メタクリル酸2-ヒドロキシエチルおよびアクリル酸の乳化共車合を放射線およひ過硫酸アンモニウムによって行った。放射線による乳化重合は線量率および重合温度の選択により, 過硫酸アンモニウムを開始剤とする乳化重合と同程度の重合速度が得られた。両重合法のモノマーの消費挙動には差が認められなかったが, 放射線乳化重合では, 水溶性成分の生成が少なく, 細かい粒子径のエマルションが得られたエマルションの機械的安定性, メラミン樹脂や水溶性樹脂との相溶性および中和後の粘度に着目し, 放射線乳化重合の方式および乳化剤の選定を行った。その結果, 橋かけ性のモノマーを少量用い, 乳化剤としてノニルフェニルポリオキシエチレン (P : 2) 3- (スノホン酸ナトリウム) -2 (ヒドロキシ) プロピル一テルおよびHLBが16のポリエチレングリコルノニルフェニルエーテルを併用した半連続回分式乳化重合法が最適であることを見いだした。

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