色材協会誌
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アルカリ加水分解処理によるアクリルースチレンポリマー微粉体の表面活性化とコバルトコーティング
南橋 啓司伊藤 征司郎
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1995 年 68 巻 3 号 p. 142-148

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抄録

本研究は, 有機ポリマー微粒子の表面活性化法としてのアルカリ加水分解処理と, このポリマー微粒子表面へのコバルトコーティングについて検討したものである。ポリマー微粒子としては球形単分散性のアクリルースチレン架橋粒子を用いた。
アルカリ加水分解処理により, ポリマー微粒子表面にカルボキシル基が導入され, 粒子表面は活性化されることがわかった。さらに, この表面活性化処理ポリマー微粒子をトリス (アセチルアセトナト) コバルト (III) ([Co (acac) 3]) を含むジフェニルエーテル中に分散させ, NaBH4を加えて沸点の温度でかく拌しながら加熱還流すると, ポリマー微粒子表面はコバルトでほぼ均一に覆われることがわかった。このときの [Co (acac) 3] およびNaBH4の最適添加量は, 表面活性化処理ポリマー粒子0.5m2表面積相当量に対して, それぞれ1.0×10-3molおよび1.0×10-2molで, [Co (acac) 3] が完全に金属コバルトにまで還元される最小還流時間は12時間であった。

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