色材協会誌
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カルボン酸修飾アルミナ粉体の合成と応用
松井 英雄藤原 尚伊藤 征司郎吉原 正邦前嶋 俊壽
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1996 年 69 巻 4 号 p. 215-220

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抄録

高機能性有機-無機複合体触媒の開発を目的として, アルミナ表面を数種の光学活性カルボン酸で修飾する方法について検討を行った。その結果, アルミナ表面にあらかじめ金属イオンを介在させる方法, もしくは, 有機溶媒中で修飾を行うことによって, 効果的にカルボン酸を修飾できることが判明した。
つぎに, α-メチレン-γ-ブチロラクトンとジエチルアミンの付加反応へ応用したところ, 修飾粉体存在下で付加反応は促進され, 触媒活性を有することが判明した。また, 得られた付加物にエナンチオマー過剰が認あられたことにより, 不斉触媒として機能することも判明した。修飾アルミナ表面上の金属イオンもしくは, 修飾により新たに生成したブレンステッド酸点による基質活性化と, 隣接する光学活性修飾物の立体的要因によって触媒機能が発現したものと考えられる。

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